「第20回縮景園邦楽鑑賞会 ～源氏物語と平家物語の音楽絵巻～」
平安朝時代、王朝文化が華開き世界最古の文学「源氏物語」を生み出しました。その一方で、平安末期、厳島神社や音戸の瀬戸など広島に縁が深い地で、平家と源氏の大きな戦が起こりました。数々の悲劇が生まれた源平の戦い、そこから無益な戦をすることを戒め、平和への強い願いが込められた「平家物語」が伝承されました。
この度は、この二つの物語に関わる貴重な古典音楽を通して、当時の人々の様子や歴史に触れていただきながら、秋の縮景園での雅やかな演奏をぜひお楽しみください。
【出演】 広島邦楽連盟 ＜賛助出演＞ 古弾の会
【会場】 清風館
広島邦楽連盟プロフィール
会長 福盛智子（生田流箏曲・地歌古典伝承者）
邦楽の振興と後継者育成のため、技術交流し音楽的情操の涵養に資することを目的に1993年に設立。
毎年、国宝不動院や縮景園で演奏会を開催するほか、アメリカカーネギーホールをはじめ海外８か国で公演。
1995年に国連創立50周年記念「ヒロシマ平和邦楽コンサート」をＮＹ本部で開催、以降10年ごとに国連で開催。
※このウェブコンサートは、令和３年10月24日（日）に入場制限の上行った鑑賞会を映像収録したものです。
第１部 「源氏物語」
１ 「明石」
光源氏が都から遠く離れ、失意の中で過ごした「明石」での様子
２ 「夕顔」
六条の御息所のもとへ行く道すがら、夕顔の花が咲いている家の可憐な女性に心惹かれていく話
３ 「梓」
光源氏の恋人の六条の御息所は、彼を独占したい思いが激しい嫉妬の「生霊」となって、頭中将の妹で光源氏の妻「葵上」と恋人「夕顔」の二人の命を奪ってしまう話
４ 「青海波」
光源氏が憧れている藤壺の宮と天皇の前で、頭中将と二人で舞を絶賛された曲
５ 「新浮舟」
浮舟は源氏物語「宇治十帖」に出てくる最後のヒロインで、光源氏の子、薫と今上帝の皇子、匂宮にも愛されることで苦しみ宇治川に入水するが、僧に助けられて尼となる話
第２部 「平家物語 」
１ 「祇園精舎」
釈迦が説法をされた代表的な寺院のこと、「平家物語」の最初に出てくる文言
２ 「稚児桜」
牛若丸（源義経の幼少時代の名）の生涯の家来となった弁慶との出会いの様子
３ 「藤戸」
瀬戸内海の島に逃げた平家を、源氏の佐々木盛綱が対岸に通ずる浅瀬の在りかを漁師に聞き出し、平家を襲い大勝するが、他言を封じるため恩ある漁師をその場で殺し海に沈めた事件。
４ 「盤渉調・調子」
雅楽の六調子の一つで呂律の律に属し、悲しみや切なさを表現しているとされる
５ 「八島」
源平の最後の舟戦で平家が大敗、幼少の安徳天皇は壇ノ浦に沈み平家が滅亡する様子
